粉ミルクの記事一覧


Sponsered Link

「母乳で育てたいけど、どうしても出ない」

「体の具合が悪くて、授乳が負担になる」

 このような場合は、粉ミルクで育てることになります。母乳で育てられないのは確かに残念ですが、悲観することはありません。現在市販されている粉ミルクは、赤ちゃんの発育に合わせて成分が調整され、栄養面でも優れたものが豊富に出回っています。

 

 人工栄養に使われる粉ミルク(調製粉乳)は、1979年の厚生省令によって「牛乳を加工し、これに乳幼児に必要な栄養素を添加して、粉末状にしたもの」という定義、成分規格が定められました。その成分規則に従った粉ミルクが、乳業メーカー各社から製造・販売されています。

 

 粉ミルクには次のような種類があります。

 

育児用粉ミルク

 

 人工栄養として大部分の赤ちゃんに使われている、最も一般的な粉ミルクです。栄養素の成分組成を母乳に近づけるため、商品開発の段階で主に次のような調整が施されています。

 

①核酸(ヌクレオチド)

 赤ちゃんにとって五大栄養素と並ぶ必須栄養素といわれ、発育・成長健康増進に欠かせないヌクレオチド(塩基・糖・リン酸から構成される核酸の基本単位)を配合。

 母乳には、シチジル酸、ウリジル酸、アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸という5種類のヌクレオチドが含まれています。ヌクレオチドの濃度(総量)は授乳期間によって異なりますが、ヌクレオチドの中で最も含有量が多いのはグアニル酸であることがわかっている。

 粉ミルクのヌクレオチドは、母乳に含まれる比率に合わせて配合され、含有量も母乳の平均レベルと同じになっている。

 

②タンパク質(アミノ酸)

 母乳に多く、消化吸収に優れたラクトアルブミンを牛乳に含まれるカゼインの一部と入れ替えて母乳並みの比率に近づけ、ソフトカード化(カードとはタンパク質の凝固物のこと母乳に近い柔らかいカードを作り出すことで短時間で簡単に消化吸収できる)を実現している。

 また、脳や網膜(目の組織)の発達を促進するタウリン、赤ちゃんにとって必須アミノ酸であるアルギニンを強化してる。

 

③糖質

 細菌感染を防ぎ、便の状態を良くする腸内のビフィズス菌の繁殖を促すオリゴ糖を配合して、糖質組成を母乳に近づけている。

 

④脂質

 脳や網膜の発達に欠かせないDHA(ドコサヘキサエン酸)を配合している。

 脂質の消化吸収を高めるために脂肪酸組成を改良し、必須脂肪酸(nー6系およびn−3系不飽和脂肪酸)を増やして、飽和脂肪酸の比率を下げています。

 nー6系(γ-リノレン酸、リノール酸)とn−3系(α-リノレン酸)の脂肪酸バランスを母乳と同レベルの比率に調整している。

 

⑤ビタミン、ミネラル

 ビタミンC、β-カロチン(ビタミンAの前駆物質)を母乳並みに配合し、不足が心配されるビタミンKを初乳レベルに強化している。

 乳児の未熟な腎臓に負担をかけないように、生理代謝に応じてミネラルのバランスを調整し、カルシウムとリンの比率やナトリウムとカリウムの比率などを母乳レベルに近づけている。

 

フォローアップミルク

 

 離乳期の後半、つまり、満9ヶ月以降の赤ちゃんに飲ませることを目的として開発された粉ミルクです。

 

 離乳期に入ると、母乳から核酸を摂取できなくなるため、免疫機能が低下し、細菌やウイルスに感染する可能性が高くなることが懸念されています。その一方で、乳汁以外のさまざまな食品を摂取するようになることから、病原菌や異物と接触する機会が増えます。

 

 こうした理由から、離乳期は免疫賦活作用や感染予防作用をはじめとするさまざまな作用が認められているヌクレオチドを摂取するのが望ましいと考えられており、そのニーズに応じてフォローアップミルクにも母乳の比率と含有量に合わせた、母乳の平均レベルと同等のヌクレオチドが配合されています。さらに、離乳期後半になると体内の貯蔵鉄が不足してくるため、鉄分とその吸収を促すビタミンCが増強されています。

 

 その他、消化吸収の高い良質のタンパク質をバランス良く配合し、オリゴ糖やカルシウム、β-カロチンなども牛乳より多く含まれています。さらに、必須栄養素をバランスよく含みながら、肥満を防ぐために飽和脂肪酸は抑えられています。栄養面で非常に優れているので、幼児期(3歳頃)まで牛乳の代わりに飲み続けることができます。

 

牛乳アレルギー疾患用粉ミルク

 

 普通の粉ミルクや牛乳でアレルギー症状を起こす赤ちゃんや、乳糖不耐症、ガラクトース血症の赤ちゃんのために開発された粉ミルク。

 

 アレルゲン性の成分(卵成分、コーン油、大豆油などの植物油)や乳糖を一切配合せず、発育に必要な栄養素(ヌクレオチド、タンパク質、乳糖以外の乳質、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル)をバランス良く含んでいます。

 

低出生体重児用粉ミルク

 

 低出生体重児の発育管理を行う目的で開発された、病院用の粉ミルク。

 

先天性代謝異常症治療用粉ミルク(特殊粉乳)

 

 食べ物を正常に分解・代謝するための酵素の活性が先天的に低い赤ちゃんのために開発された治療用粉ミルク。こちらも病院で扱われるもので、市販はされていない。

 

粉ミルクを選ぶ際のポイント

 

 現在、いろいろなメーカーから粉ミルクが販売されており、国が定めた基準やWHOの推奨値に従って成分規格が決まっています。ですから、種類(育児用粉ミルク、フォローアップミルクなど)が同じであれば、メーカーが違ってもそれほど大きな違いはありません。では、はじめて粉ミルクを購入する際は、どこにポイントをおいて選べばいいのでしょうか。まず真っ先に確認して欲しいのが、核酸が配合されているかどうかです。

 

 日本では1995年から核酸入り粉ミルクの製造・販売がスタートし、現在までに市販されている商品のいくつかにヌクレオチドが配合されています。しかし、中には核酸入り粉ミルクを製造していないメーカーもあります。間違って核酸が入っていないものを選んでしまう可能性もあるので気をつけましょう。

 

 ですから、買うときにはまずパッケージの表示を見てみましょう。核酸が配合されていれば必ず「核酸関連物質配合」とか「ヌクレオチド配合」などと明記されているはずです。

 

 そのほかにも、パッケージには商品の特徴が記載されています。読み比べてみると、メーカーごとの特色やおすすめするポイントが違うはずです。どれが赤ちゃんの体格や体質に最もふさわしいと思うか、書かれている情報をじっくりと読んで検討し、1つに決めることをおすすめします。

 

 なお、アレルギーが心配される赤ちゃんや、家族にアレルギー疾患の人がいる場合は、必ず医師に相談してください。核酸はアレルギーの改善に効果がありますが、使い始めにアレルギー症状が一時的に悪くなる場合もあります。通常は、一時的なもので、その後アレルギー体質の改善が行われます。

 

 使用する粉ミルクが決まり、飲ませてみてなにも問題がなければ、授乳が終わるまでその銘柄のものを使い続けてください。粉ミルクはどれも内容的にそれほど違いはないと言っても、メーカーごとに味や配合が若干異なっています。途中でコロコロと銘柄を変えてしまうと、赤ちゃんが味の違いに反応して飲まなくなったり、便の状態が変わってしまうこともあるので注意してください。

 

授乳中のお母さんも核酸食品を摂るのが肝心

 

 最後に、母乳を与えるお母さんの食生活についても言及していきます。

 

 妊娠中に引き続き、授乳中も栄養バランスのとれた食事を心がけることが極めて重要です。食生活できちんと栄養を摂らないと、産後の回復も遅れますし、体調が崩れれば当然母乳の分泌にも影響が出てきます。母乳はお母さんの体内に蓄えられている栄養素を利用して、優先的に作られます。なので、授乳期の食生活の乱れが直に母乳に影響するとは思えませんが、いつまでのその状態が続けばやはり影響が出てきます。

 

 かといって、育児に忙しく動き回ってお腹が空き、やたらと食べ過ぎてしまうのも問題です。実際のところ、そうした体調管理がうまくいかなくて悩んでいるお母さんも多いのではないでしょうか。

 

 そんなお母さんにこそ最も必要なのが、核酸です。新陳代謝を活発にし、血行を促進する核酸は、授乳期のお母さんの健康を維持し、体力の増進に役立ちます。なた、糖の吸収を遅らせる作用もありますから、食べ過ぎによる体重オーバーを防いだり、産後太りの解消にも役立つでしょう。もちろん、食事から摂った核酸は母乳の中にたっぷり凝縮され、赤ちゃんの貴重な栄養源となります。

 

 しかし、授乳期はふだんの食事だけで母乳分泌を支えるために必要な核酸を十分補うことはできないので、市販の核酸食品(サケ白子エキス、ビール酵母エキス配合)を利用するといいでしょう。

 

 核酸食品は医薬品ではないので、1日にどれだけ摂らなければならないという制限はありません、あくまでも食事のひとつとして摂取すべき性質のものです。核酸は消化吸収がよく、速やかに体内に循環されるため、何回かに分けて摂取したほうがより効率的です。しかも、空腹時によるよりほかの食事と一緒に摂ったほうが消化・吸収がスムーズにいきます。

 

 


子育て, 核酸