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病気や老化の原因と遺伝子を損傷させるもの

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病気や老化の原因

 

 DNAは生命の設計図、そしてその中に納められた遺伝子には親から子へと受け継がれた膨大な遺伝情報が記録されています。つまり、子供のDNAは卵子と精子が受精する段階で作られ、個性や体質などが形作られるのです。

 

 たとえば、お酒が弱い、または全く飲めないという人の中には、両親もお酒が飲めないといったケースがよくあります。これは、アルコールの代謝物であるアセドアルデヒド分解酵素を作る遺伝子の一部に違いがあるためであるとわかっています。まさに、親の体質を受け継いだ、遺伝による影響といえるでしょう。

 

 よく「ウチは高血圧の家系だ」とか「親がガンで亡くなっているから自分も危ない」といった話を耳にしますが、この現象も家系的い伝わる遺伝子の特異性に根ざしたものです。確かに、家系的になりやすい病気は存在しますし、それは遺伝子が招く「遺伝性の疾患」といえます(生活習慣病のほとんどに遺伝子の発見されている)。

 

 そうした前提に立って、病気や老化の原因を探っていくことが重要なのです。たとえば、ガンが遺伝子の損傷に始まる病気の典型とするならば、損傷を受けやすい遺伝子が代々受け継がれるのは当然でしょう。しかし、だからといってガン家系といわれる人が必ずガンになるとは限りません。

 

 たとえガン家系に生まれたとしても、万全の対策を講じていればガンのリスクを低く抑えることは十分可能ですし、実際にならずに住んでいる人も大勢いるわけです。私たちは日々の暮らしの中で、無意識のうちに遺伝子を傷つける物質を体内に取り込んでいます。有害な化学物質、紫外線、病原菌やウイルス、タバコ、電磁波さらには過労やストレス。遺伝子はこうした生活環境や生活習慣の影響を受けて絶えず傷つき、やがて本来の設計図にはないタンパク質を作り出すようになります。

 

 こうして、正常だった細胞は異常細胞へと変化し、次第に分裂、増殖を繰り返していくことによって、体を構成するさまざまな組織・細胞の機能低下が起こってきます。

 

 このような遺伝子の損傷は、老化を著しく加速させるばかりか、ガンや糖尿病、心筋梗塞、脳卒中をはじめとしたあらゆる生活習慣病の引き金となったり、アレルギー疾患やアルツハイマー型痴呆症など、決定的な治療手段が見つかっていない現代の難病を誘発することがわかっています。現代人を襲う様々な病気、そして老化現象のすべては、もとを正せば遺伝子の損傷がきっかけで始まるわけです。

 

遺伝子を傷つけるもの

 

 人間はみな、例外なく傷ついた遺伝子を持っています。見た目はどんなに若々しく、健康そうに見える人でも、その身体の内部では常に遺伝子の損傷を抱えているのです。程度の違いこそあれ、遺伝子レベルで見れば誰もが半病人、つまりまだ自覚症状のない段階にあり、いつ重大な病気の症状が現れても不思議ではない状態にあるといっても過言ではありません。

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 では、実際に遺伝子を傷つけている犯人とは何者なのでしょうか?

 

 まず1つはウイルスです。ウイルスは体内に侵入して細胞の中に寄生し、DNAを利用して増殖する性質を持っています。その結果、正常だったDNAの設計図がウイルスの都合のいいように書き換えられ、やがて設計図全体に狂いが生じてしまうわけです。

 

 なお、ウイルスにはインフルエンザウイルスをはじめ、結膜炎を引き起こすアデノウイルス、免疫細胞に感染して免疫機能を破壊するHIVウイルス(エイズウイルス)など、さまざまな種類が発見されています。

 

 ガンの発症にもある特定のウイルスが関与していることがわかっています。実際にガン全体の約10%はウイルスの感染が原因とみられており、主に、B型肺炎ウイルス(肝臓ガン)、C型肺炎ウイルス(腎臓ガン)、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV=成人T細胞白血病)、パピローマウイルス(子宮頸ガン、陰茎ガン、皮膚ガン)の5種類がよく知られています。

 

 そしてもう1つの原因とされるウイルス以上の強敵が、日常のごく身近なところに潜んでいます。遺伝子を傷つける最大の元凶とみられているのが、私たちが生きていくうえで欠かすことのできない「酸素」なのです。

 

 空気中には約20%の酸素が含まれています。人間は呼吸から取り入れた酸素を利用して食べ物から得た糖や脂肪を燃焼させ、生体維持や活動に必要なエネルギーを生み出しています。こうしたエネルギー代謝の過程で、酸素全体の約2%が活性酸素(スーパーオキサイド、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素など)と呼ばれる極めて毒性の強い酸素に変化します。

 

 また、タバコ、紫外線、電磁波、ストレス、過激な運動、ある種の薬物、農薬、食品添加物、工場や車からの排気ガスなども活性酸素を発生させる大きな原因になっています。本来、活性酸素は体内に侵入してきた病原菌やウイルスを攻撃したり、ホルモンの合成に関わるなど、身体にとって重要な役割を担っています。

 

 ところが、体内に強い炎症反応が起こるなど活性酸素が必要以上に生成されてしまうと、酵素などによる分解が追いつかなくなり、組織に含まれる脂質やタンパク質と結合し異常を引き起こします。たとえば、肌のシワはコラーゲン(タンパク質)が活性酸素に攻撃されて起こります。

 

 厄介なことに、活性酸素は血液中の不飽和脂肪酸を攻撃して動脈硬化を促進させるだけでなく、細胞膜を構成する不飽和脂肪酸を攻撃して、過酸化脂質という反応性の強い物質を作り出す性質を持っているのです。

 

 活性酸素は、タンパク質や酵素、さらにはDNAも傷つけ、遺伝情報を全く別のものに変化させてしまいます。その結果、異常タンパク質が合成されて、病気や老化の下地を作ってしまうわけです。

 

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