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赤ちゃんに必要な核酸の生理効果 〜脳の発育〜

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DHAとの相乗効果

 

 ここ数年、「魚を食べると頭が良くなる」「青魚にはボケを予防する効果がある」都言われているのをご存知でしょうか。その理由は、青魚に豊富なDHA(ドコサヘキサエン酸)という不飽和脂肪酸にあります。DHAは脳、神経、網膜などの細胞膜に多く含まれており、これらの組織の機能に深く関わっています。

 

 脳の神経細胞には軸索と呼ばれる突起があり、その先端にはシプナスといって神経細胞同士を連結する部分があります。このシプナスから神経伝達物質が放出されることで脳に情報を与える神経回路が構築され、記憶が成立するしくみになっています。

 

 DHAには、神経伝達物質を受け取る受容体(レセプター)の働きを活性化する作用があるため、頭を良くする油として脚光を浴びているわけです。

 

 母乳にはこのDHAをはじめ、リノール酸、リノレン酸、γ-リノレン酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。これに対して、牛乳を原料とした粉ミルクは動物性の不飽和脂肪酸が多く、γ-リノレン酸やDHAは含まれていません。そこで近年、乳児期の脳の発育スピードを考慮し、「頭のいい子に成長する」をうたい文句にした、DHA配合の粉ミルク(核酸無添加)が製造・販売されるようになりました。

 

 ところが、核酸が十分に存在しないと脂肪代謝が妨げられ、DHA、EPA(エイコサペンタエン酸)、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸が少なくなってしまうことが、母乳と粉ミルクとの比較研究から導きだされています。

 

 そこで、核酸が脂質の代謝を司る酵素の働きを高めているという事実に着目し、核酸と脳の発育との因果関係を調べる大変興味深い動物実験が乳業メーカーによって行われました。2グループのマウスを用意し、一方には核酸を混ぜた餌を、もう一方には無添加の餌を与えて飼育し、数週間後に迷路試験を行いました。迷路試験とは、ある場所に餌を置き、そこにたどり着くまでの所要時間を計るといったものです。

 

 もし核酸の効果が現れて、脳の機能が向上していれば、何回か試していく内に餌の場所を記憶して、所要時間が短くなってくるはずです。

 

 さて、結果はどうだったかというと、1回目は両グループともに80〜90秒の時間を要し、差は見られませんでした。ところが、2回目になると核酸を与えたグループの所要時間が一気に約40数秒まで早まり、両者の間にははっきりと差が現れました。そして3回目ともなると、核酸を与えたグループが約20秒で餌にたどり着いたのに対し、無添加のグループは約50秒を要しました。核酸を与えた方のグループはなんと所要時間が4分の1に短縮されていたのです。

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 さらに、核酸の投与によって脂質代謝が促進され、リノール酸やリノレン酸、リン脂質などほかの不飽和脂肪酸も確実に増加することを確認しています。この傾向は、血液中のコレステロール値を正常に保ち、動脈硬化を中心とした循環器系の病気(心筋梗塞、脳卒中、糖尿病など)を防ぐことにもつながります。

 

脳細胞を成長させるRNAを増やす

 

 脳の発育促進に直接関与しているRNA(リボ核酸)が減少すると、ボケが発症するという説があります。人間は胎児の状態の時から核酸が盛んに合成されますが、生まれて成長するに従い、脳の中ではDNA(デオキシリボ核酸)が合成されなくなり、RNAだけが少しづつ増えていきます。つまり脳には、体内のあらゆる器官の中で最もRNAが多く存在しているのです。

 

 脳の神経細胞において、RNAは記憶の保存に使われると同時に保存した記憶を取り戻す、すなわち「思い出す」ことにも深く関わっているとされています。RNAが神経細胞から伸びている樹状突起や軸索突起を成長させ、記憶の回路を増やしていることが、多くの研究を通して明らかになりました。RNAは核酸そのものであり、核酸が神経成長因子として働いているとの研究も数多く見られています。

 

 RNAはタンパク質の合成を終えると酵素によって分解されるため、脳内では盛んにRNAの合成が行われています。しかし、老化に伴って核酸の合成能力が低下すると、脳の機能維持に必要なだけのタンパク質が供給できなくなって、神経細胞の壊死が進みます。年をとると一般に物忘れが激しくなってくるのは、核酸不足による記憶・学習能力の低下が原因の一つと考えられているのです。

 

 したがって、赤ちゃんの脳の発育に欠かせないのはもちろん、ボケ対策の一環として、痴呆症を予防するためにも食事から積極的に核酸を補いたいものです。ちなみに、痴呆症はアルツハイマー型痴呆症と脳血管性痴呆症に大別され、両者が混合したタイプも多く見受けられます。前者は遺伝子の損傷が引き金となって脳細胞の急激な死滅、萎縮が起こり、後者は主に脳血栓など脳の血流障害が原因で発症します。

 

 核酸には遺伝子の損傷を引き起こす活性酸素を強力に抑える効果と、血行を促進して血管の状態を正常に保つ効果があります。つまり、どんなタイプの痴呆症にも、あらゆる角度からアプローチして予防・改善に導く心強い味方といえるでしょう。

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