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 細胞分裂と聞くとみなさんはなにを思いだすでしょうか? ずっと以前に生物を習った方も、つい最近生物を学んだ方も、いま生物を学んでいる方も、細胞分裂とは細胞の核が2つになり、まったく同じ細胞(娘細胞)が2つできるという細胞分裂を連想するのではないでしょうか? 確かにその通りです。皮膚の細胞は分裂しても同じ2つの皮膚の細胞になりますし、骨の細胞も分裂したからといって、骨と肝臓ができるわけではありません。ちゃんと2つの骨の細胞に分裂します。これを対称性分裂といいます。

 

 しかし多細胞生物である動物の発生過程における細胞分裂は、まったく異なります。1個の受精卵がただ単純な細胞分裂を繰り返すだけなら、私たちの体は約60兆個の受精卵になるだけです。では、受精卵はどのような分裂をするのでしょうか?

 

 受精卵は卵割と呼ばれる細胞分裂を行います。通常は2細胞期に左右に、4細胞期に前後に、8細胞期に腹背に分かれます。このとき、卵黄が少ない動物極側のほうは細胞が小さくなります。

 

 このように卵割では、非対称性の細胞分裂を行っています。つまり、受精卵は単純な細胞分裂ではなく、少しずつ形を変える分裂(これを非対称分裂といいます)を繰り返しています。この現象がひいては、いろいろな役割をもった細胞や器官、臓器になっていくのです。

受精卵の卵割

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 非対称分裂の先をもう少し見ていきましょう。ある程度細胞分裂が増えると内部に空洞ができ、その外側と内側は細胞に覆われた形になります。この時期のことを胞胚期(ほうはいき)といいますが、難しく考えず「ちくわ」を想像してください。「ちくわ」の外をおおっている細胞群を外胚葉といい、「ちくわ」の内をおおう細胞群を内胚葉といいます。その外胚葉からはおもに表皮と神経が、内胚葉からは消化管が形成されます。また、「ちくわ」の身の部分(外胚葉と内胚葉の隙間の入り込んだ細胞群)を中胚葉といいますが、ここからは筋肉や血管系などがつくられます。

胞胚形成 (胞胚形成)Gastrulation(原腸形成)

 このように受精卵は、非対称性の細胞分裂を繰り返したあと、形態を少しずつ変化させ、やがてそれぞれ異なった部位ごとに各器官へと分化していくのです。

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