不思議Labo

遺伝子ってなに?iPS細胞ってなに?

iPS細胞について 人体を構成する細胞の特殊性とは?

細胞を操作する技術

投稿日:08/18/2015 更新日:


Sponsered Link

 現在における生命科学の進歩は、さまざまな細胞を操作する技術を生み出しました。これらの基本技術を用いたいくつかの具体的な細胞操作例についてもお話しましょう。

 

 ヒト体性幹細胞(決められた臓器にしかなることができない)の利用に関してはある程度成功し、技術も確立しています。ほかに皮膚幹細胞(皮膚に分化)や角膜幹細胞(角膜に分化)、骨髄や脂肪組織中に存在する間葉系幹細胞(骨、軟骨、血管などに分化)などがあり、これらはすでに臨床研究で用いられています。また、ヒト胚性幹細胞(ES細胞や万能細胞)については、米国のバイオベンチャーであるジェロン社で、脊髄損傷の患者に対して能や精髄の神経細胞を保護する役目をもつ細胞を精髄に注入する治療の臨床試験が始まっています。

 

 そのほかにも、たとえば東京医科女子大学で開発された細胞シート技術は、直接患部の表面に貼りつけて機能を回復させるもので、現在、角膜で臨床応用され、心筋にも応用されつつまります。iPS細胞については世界中で注目を集めていますが、まだ始まったばかりの技術のため、がん化を含め、予期せぬ事態が起きるのではないかという懸念もあり、臨床応用はまだ先ではないかと考えられています。

Sponcsered Link

細胞シート技術細胞シート技術

 しかしiPS細胞をはじめとしたこれら現在用いられている再生医療の中核となるのは、遺伝子を知り、遺伝子を人工的にコントロールする技術といっても過言ではありません。特にiPS細胞の作製には、遺伝子を操作する技術が充実していたことによる要因が大きいでしょう。もちろんその背景には、がん遺伝子の研究や細胞制御の研究などがあったことは当然です。

 少しわき道にそれますが、遺伝子の研究や遺伝子の操作には、生命と物質の境界(いまだに議論が分かれる)のようなウイルスが非常に重要な役割を果たしていまして、いまでも遺伝子導入の有効な手段としてウイルスはもっとも有用です。そういうことを考えると、ウイルスという構造物は、もしかしたら神様が人類に与えた、鉄や電気、火といったものと同じ福音なのかもしれません。

Sponcered Link

-iPS細胞について, 人体を構成する細胞の特殊性とは?
-, , , , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

「夢」の医療の正体とは?

Sponsered Link  少し脱線してしまいますが、人間を動かす最大の力は我欲や金銭欲ではなく「夢」だと私は考えています。人類が「夢」見た多くのものは、たとえそれが、その当時はまったく荒唐無稽に …

no image

人工授精と再生医療

Sponsered Link  配偶子(卵子と精子)には問題がなく、卵管や精子数などそれ以外の原因で子供ができない夫婦のために、人工授精すなわち、体外受精と呼べれている技術が使われています。体外受精は …

no image

4つの塩基が選ばれた理由

Sponsered Link  前節でお話ししたように、DNAは、4つの塩基であるA(アデニン)、T(チミン)、C(シトニン)、G(グアニン)からできています。このうちアデニンは、様々な物質の構成成分 …

no image

どうやって再生するのか?

Sponsered Link  再生医療による治療のステップは、再生しようとする臓器を構成する細胞(群)を手に入れる、もしくはつくりだすことから始めます。目的の臓器が残っている場合は、その臓器から細胞 …

no image

原核細胞と真核細胞

Sponsered Link  細胞はその内部の構造から原核細胞と真核細胞に分けられます。この2つの細胞でもっとも大きな差異は、原核細胞に細胞核がないことです。細胞核がないと、みなさんをなにを連想する …