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遺伝子ってなに?iPS細胞ってなに?

iPS細胞について 人体を構成する細胞の特殊性とは?

人体は約60兆個もの細胞の集合体

投稿日:07/20/2015 更新日:


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 ヒトの体は、約60兆個の細胞が集まってできています。ある試算では、これらの細胞のうち1日で約3000億個が死に、この数を補うように毎日新しい細胞が誕生しているともいわれています。この試算からすると、たった1秒間で約300万個が死んで、同じ数の細胞が生まれ変わっている計算になります。ただ、これらはあくまで試算であって実態とは異なっており、実際私たちの体の細胞のすべてが毎日毎日生まれ変わっているわけではありません。死んで生まれ変わる細胞の代表は赤血球と皮膚の細胞で、そのほかに肝臓や消化管、骨なども部分的に生まれ変わっています。

 

 もっとも生まれ変わりの激しいのは赤血球と皮膚の細胞(正確には表皮細胞)であり、そこには脱核(無核化)という共通点があります。脱核とは、死ぬことによってみずからが生命体ではなく無機質な構造物(物質)に変化するために必要不可欠な生命反応です。脱核することによって生命体は、構造物(いってみれば死体)に変化します。したがって赤血球や爪、毛髪、表皮は、生命体ではなくたんなる構造物(細胞の死骸)です。ですから、爪を切っても髪を切っても表皮を垢すりでこすっても血も出ませんし、痛くもかゆくもありません。生命の根源は遺伝子であり、それなくしては生命はありえないということを解説してきましたが、生命全体を支えるためにみずから死(脱核or無核化)を選ぶ細胞もあるのです。

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 ただ、われわれを構成する約60兆個の細胞の場所によって状況が異なります。たとえば脳細胞は、3歳ごろまで増殖し、その後まったく増えず、生き続けます。そして10代になってからは、脳細胞は徐々に減少していきます。私たちが記憶や学習という行為ができるのは、この脳細胞が長く生き続けているからだと思われます。年をとるにつれて、記憶力が悪くなったり、学習能力が低下してきたと感じる方は多いでしょう。それは、脳細胞が減少しているからかもしれません。

img_creation_2_2(年齢と脳細胞数の関係)
 あた、脊椎動物を支える硬い骨は、数ヶ月で全部新しく置き換わるそうです。骨折するとよくギブスで固定しますが、骨の細胞が新しい細胞をつくり古い細胞を入れ替えているので、骨は折れてもくっつきます。もし骨の細胞が増殖しなければ、折れた骨はもとに戻ることはないのです。

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