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iPS細胞について 人体を構成する細胞の特殊性とは?

臓器と細胞の違い〜細胞の集合体が臓器ではない〜

投稿日:08/15/2015 更新日:


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 みなさんは「臓器とはなにか?」と質問されれば、迷うことなく心臓や肝臓などの臓器を思い浮かべるのではないでしょうか。そしてみなさんは、これらの臓器がそれぞれ異なる「はたらき」をもっていることを容易に理解されるでしょう。だとすれば、臓器は単なる細胞の集合体ではないものと思われます。では、臓器とはなんでしょうか?

 

 これまで解説してきたとおり、確かに私たちは受精卵という1個の細胞にすぎませんでした。しかし赤ちゃんとして生まれたとき、つまり完全にヒトの形になったとき、その体は約200種類の細胞から成り立っているのです。これらの細胞は、共通の働きをもつもの同士で集まり、組織を形成します。さらに、関連する機能をもつ組織が集まって器官(動物の器官は臓器ともいう)を形成し、関連する器官が集まって器官系を形成します。

 

 このように細胞ではなく臓器として成り立つためには、細胞とは違うもう1つの要素が必要になります。それがマトリックスと呼ばれるものです。余談ですが、再生医療の実用化の現場でもこのマトリックスは非常に重要な概念で、足場(スキャフォールド:Scaffold)と呼ばれています。厳密にいうとマトリックスは、生物ではありません。臓器となりためには細胞が単に集まっただけではダメで、それを結びつける構造物が必要となり、これをマトリックスと呼ぶのです。

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 たとえていうならば、細胞が人間、マトリックスは家や道路や車だと考えると分かりやすいかもしれません。家や道路や車は人間がつくりだしたものですから、人間がいないとなにも始まりませんが、かといって人間がいくら集まっても町と呼べません。町として機能するのと同じように臓器が機能していると呼べるのは、細胞に臓器特有のマトリックスをつくったあとなのです。

臓器と細胞の違い

 なお、ヒトの器官系(臓器)のおもなものとして、以下のようなものがあります。①循環器系:心臓、血管など、②消化器系:口、胃、肝臓など、③運動器系:骨、関節、筋など、④神経系:脳、脊髄など、⑤感覚器系:目、耳、鼻など、⑥泌尿器系:腎臓、膀胱など、⑦呼吸器系:肺、気管など、⑧生殖器系。 

 このように臓器を町とするならば、細胞はその住民で独自の機能をもっているのです。

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