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 もともと、雌雄のある生物にとって生殖は、種の永遠性と多様性を確保するためのもの、もっとも有効かつ根源的なシステムです。そのため受精卵が分割して私たちの体になるのとは、まったく別のシステムで生殖細胞は用意されています。受精卵の半分が私たちの体になり、残り半分が原始生殖細胞として私たちの体の中にストックされるというイメージです。

 

 ストックされた原始生殖細胞は、時期がくる(思春期を過ぎるころ)まで冬眠しています。目覚めた原始生殖細胞は、私たちの体を構成する細胞とはまったく違う減数分裂という特徴的な分裂をします。

 

 通常、ヒトの細胞には46個の染色体が入っています。それぞれよく似た染色体同士2個が1対として存在するのです。46÷2=23対の染色体として存在しています(二倍体)。そして2つの生殖細胞が合体して1つの同じ2倍体となるためには、減数分裂をしないといけません。

受精卵,分化

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 細胞の変化(分化)は、常に一方方向にしか進みません。図を見ていただくとわかると思いますが、受精卵だけが次の世代を残す原始生殖細胞に変化(分化)することができます。ただ、変化が少しでも進んんでしまえば、たとえばまだヒトの原型にもなっていない 3胚葉(内胚葉、外胚葉、中胚葉)になってしまえば、二度と生殖細胞に変化することはできません。そういった意味で、万能細胞の必要十分条件は生殖細胞をつくれる能力ということになります。

 

 実際に2011年8月、京都大学がマウスの原始生殖細胞をiPS細胞からつくることに成功し、その原始生殖細胞から精子を作製して体外受精で子孫をつくることに成功しています。生殖細胞がつくれるということは、男性から採取した細胞を起源とするiPS細胞から卵子をつくることができることを意味し、もちろんその逆も可能です。まさしく自然の摂理いん反し、人工的につくったiPSで子孫を残していくことができることを物語っています。

 男性がいなくても子孫が残せること。女性がいなくともキメラ生物の子宮を借りることで子孫を残せることを可能にするのが生殖細胞の創造であり、これがすなわち生命操作の究極といわれるゆえんです。

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