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遺伝子ってなに?iPS細胞ってなに?

iPS細胞について 細胞を用いる医療とその可能性

がん研究から生まれた万能細胞

投稿日:08/21/2015 更新日:


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 万能細胞が発見される以前に、がん細胞に万能細胞があるかどうか検討されていました。そもそも哺乳類の受精卵が細胞分裂を繰り返したきわめて初期の段階である初期胚は、とても小さくて見つけにくいだけでなく、ヒトの場合には倫理的な問題のため、初期胚を研究するのが困難な状況でした。

 

 そこで、1960年代後半に研究者が注目したのが、奇形腫(テラトーマ)というがんの一種でした。奇形腫は非常に興味深い腫瘍で、その中に髪の毛や皮膚、ときには歯までも入っているのです。あたかも人間のパーツがすべて混じって入っているということで「奇形」という名前がつきました。少々脱線しますが、医者で漫画家の手塚治虫も人間のすべての要素が入った腫瘍、奇形腫に興味をもち、この奇形腫を利用してつくられたという女の子「ピノコ」を、自身の漫画に登場させています。

 

 さて、この奇形腫に興味をおった当時の研究者たちは、この中に初期胚と同じようになににでもなれる万能細胞があるのではないか、と考えました。そして、その万能細胞を培養でいくらでも増やすことができれば、発生の研究はめざましい進歩を遂げるだろうと考えました。研究者たちは、未分化な幹細胞をなんとかして取りだし、培養できないかという思いで研究に没頭し、ついに実現する日がきます。

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 1970年、マウスの奇形腫から活発の増殖する未分化な細胞株が樹立され、胚性がん細胞と名付けられました。さらに、培養でさまざまな細胞に分化できることを確認しました。こうして当初の目的である、初期胚の模倣という可能性を追求するための研究に注目がいくことになります。そして、1975年にマウスの胚盤胞に注入し、胚性がん細胞由来の組織がモザイク状に取り込まれたキメラマウスを誕生させることに成功したのです。

キメラマウスの作り方

 しかし残念ながらその後の研究で、胚性がん細胞は非常に高頻度に腫瘍を誘発するなど、正常なマウスがなかなかつくれないことが判明しました。このため研究は停滞するかと思われましたが、その後、ES細胞が発見され、一気に加速することになります。また、こうした一連のがん研究から明らかになった遺伝子を制御しがん化に関与する因子も明らかになり、この因子は初期のiPS細胞作製に中心的な役割を果たすことになります。

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