不思議Labo

遺伝子ってなに?iPS細胞ってなに?

iPS細胞について 細胞を用いる医療とその可能性

遺伝子を操作する技術

投稿日:08/19/2015 更新日:


Sponsered Link

 今世紀のもっとも偉大な発見である万能細胞、iPS細胞が体細胞に数種類の遺伝子を導入することによって作製されることは、あまりにも有名な事実です。もちろんこのiPS細胞を作製するためには、遺伝子を操作する技術が必要不可欠でした。そこでここでは遺伝子を操作する基本的な技術について簡単に説明しておきましょう。

 

 1970年前後、相次いで発見されたものに制限酵素逆転写酵素があります。制限酵素はDNAのある特定の塩基配列を認識して切断するもので、目的お遺伝子を切りだすときに使用します。一方、逆転写酵素は、一般に信じられていた「DNAからRNAがつくられるだけでその逆は怒らない」という仮説をくつがえし、RNA(メッセンジャーRNA:mRNA)からDNA(相補的DNA:cDNA)がつくられるときに働く酵素です。これらの発見は遺伝子を操作する技術を飛躍的に進歩させ、目的とする遺伝子が自由に調製できるようになったのです。

 

 ちなみに制限酵素と逆転写酵素の発見それぞれに対し、ノーベル賞が贈られています。なお、ここれ得られたDNA断片は、DNAの切れ目をつなぐ酵素であるリガーゼを用いてベクター(DNA断片の運び役、つまり遺伝子の運び役)と結合させます。

Sponcsered Link

 

 このベクターを大腸菌や酵母などの宿主細胞に入れ、目的の遺伝子を増やします(DNAのクローニングといいます)。また、ウイルスベクターなどを用いてヒトを含む動物細胞や受精卵へ導入し、宿主由来のDNAに目的とするDNA断片を組み込ませることも可能です。iPS細胞では目的とする遺伝子をベクターと結合させて、それを細胞に導入。そして細胞内で目的とする遺伝子のタンパク質がつくられることでiPS細胞を作製しています。

DNAの組み換えDNAの組み換え

 このように細胞だけでなく遺伝子を操作する技術の発展が、世界中で注目しているiPS細胞の発見につながっているのです。

Sponcered Link

-iPS細胞について, 細胞を用いる医療とその可能性
-, , , , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

細胞とはなにか?

Sponsered Link  細胞とはなんでしょうか?    国語辞典を引くと、「生物の体を組み立てているいちばん小さな単位」と記載されています。どうやら私たちの体は、この細胞からできてい …

no image

現在行われている再生医療とは?

Sponsered Link  これまでお話ししてきたように、万能細胞のヒト胚性幹細胞(ES細胞)や人工多機能生幹細胞(iPS細胞)を実際の再生医療に用いることができれば、さまざまな組織、臓器の修復・ …

毛髪は再生はなぜ難しいのか?

Sponsered Link  「つくれる臓器とつくれない臓器」のページで、複数の細胞群からできている臓器(器官)は再生医療の恩恵にあずかることが難しい、さらに現時点で再生医療の対象になるのは比較的単 …

no image

老化は万能細胞で止められるのか?

Sponsered Link  私たちは1個の受精卵から始まり、赤ちゃんとし誕生し、子供から大人になります。月日が経つにつれて老化し、肌にしわやたるみがでたり、病気が治りにくくなったりしていきます。老 …

記憶と細胞の関係

Sponsered Link  『老化のメカニズムとそれを抑える方法』でいくら医学(再生医療)が発達しても人間の脳は死(終焉)をまぬがれることはできないと書きました。若干、非科学的な表現になってしまい …