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 『万能細胞で治る可能性のある病気』、『万能細胞で夢の新薬は開発されるのか?』でもお話した万能細胞、特にiPS細胞と薬や治療方法の話をいま一度くわしく見直してみましょう。

 

 2008年、米ウィスコンシン大の研究チームが、神経難病である遺伝性の重症型脊髄性筋萎縮症の男児から作成したiPS細胞を運動神経に成長させあと、病気のため神経が死ぬのを試験管内で再現することに成功しました。患者の皮膚由来のiPS細胞から病気のモデルとなる細胞を自由に作成できることが、実際に証明されたのです。このため今後さまざまな病気に対しモデル細胞が作成されるようになってくることが予想されます。

 

 また、2009年に東京医科歯科大学の研究グループが、新薬の候補となる物質の心臓への副作用を、iPS細胞を用いて正確にすばやく検出する方法を開発しました。これによって開発中止の主な原因となる心臓への副作用を調べることができるらしいです。このようにiPS細胞による新薬の開発は、実際のモデル細胞・組織・臓器を作成して新薬を探索したり、副作用の検査などを行うなどをすることで、実際の新薬が誕生するスピードが加速されています。

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 しかもiPS細胞を用いれば、私たちにとって最大の脅威であるがんに対するまったく新しいアプローチが見つかるかもしれないと考えられています。これまでがん細胞と万能細胞にはいくつかの共通点があることをお話してきました。iPS細胞を作成する技術そのものが、がんに対する治療方法になるかもしれないのです。現時点でのがん治療は、病巣部の除去(手術もしくは放射線による焼灼)と科学治療しかありません。簡単にいうと、できたしまったがんを取り除く(化学療法で殺す)治療です。

 しかし、iPS細胞が発見されるだいぶ前から、がんのできる原因は細胞そのものの異常(遺伝子変異またはエピジェネティクス異常)であることがわかっていました。そして、その異常を修復(初期化リプログラミング)すれば、がん細胞を正常に戻すことができるとも考えられていました。iPS細胞の作成では、4つの遺伝子を細胞へ導入するだけで分化した体細胞を多能性幹細胞へ修復(初期化・リプログラミング)したと考えられていますので、この技術をがん細胞に応用すれば、がんの根本治療になるかもしれません。

新しい治療方法

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