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iPS細胞について 細胞を用いる医療とその可能性

細胞の自己修復能力と生命の再生能力の違い

投稿日:08/20/2015 更新日:


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 これまで、細胞の自己複製能力と再生能力についてお話してきました。ここでは、細胞の複製能力と、細胞の集合体である生命の再生能力の違いについてお話しましょう。

 

 生物界、植物界問わずすべての細胞にあてはまることですが、生物における自己複製能力とは、細胞分裂しても最初に持っている細胞の能力をほとんど変えることなく維持できる能力です。細胞における細胞分裂は、前期・中期・後期・終期の4つに分かれ、1つの細胞(母細胞)が遺伝子をコピーしてき均等に各細胞に配分し、少なくとも1つ以上がまったく同じ能力をもつ2つ以上の細胞(娘細胞)をつくります。通常の体細胞の細胞分裂では、娘細胞は母細胞とほぼ同じ能力(コピー)を備えています。一方、万能細胞などの幹細胞では、細胞分裂を経ても多分化能を維持するように特殊な分裂、非対称分裂を行います。娘細胞の一方が母細胞と同一。もう一方の娘細胞が一段分化度の進んだ、より機能的になった細胞というぐあいです。

細胞分裂細胞分裂

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 一方、細胞の集合体である生命の再生能力は、その生物によってだいぶ様相が異なります。例えば、『ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞の違いは?』で取り上げたプラナリアは前後3つに切ると、頭部から腹部以降が、尾部側からは頭部が、中央の断片からは前の切り口からは頭部、後ろの切り口からは尾部が見事に再生されます。人間と同じ脊椎動物でも、トカゲはそのしっぽの象徴されるように、切断されてもその切断面にある細胞が外気に触れることで、断端面にある細胞が特別な刺激を受け、活性化されて新しいしっぽがつくられます。トカゲに比べたら微々たるものですが、もちろん私たちにも再生能力はあります。

分化分化

 一般的に生命体が高度化していく過程で、細胞の集合体として完成度の統一修復能力とも呼ぶべき再生能力はどんどん低くなっていきます。再生能力とは、細胞の集合体として完成度をどれだけ維持でき、再生できるかの能力ですので、細胞そのものに再生という概念はありません。あくまで自己複製するだけです。自己複製の違いに若干の違いはあるものの、基本的にはコピーです。したがって単細胞生物には、再生という概念はありません。細胞の集合体である生命にだけ再生という概念があるのです。

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