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遺伝子ってなに?iPS細胞ってなに?

iPS細胞について 細胞を用いる医療とその可能性

どうやって再生するのか?

投稿日:08/22/2015 更新日:


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 再生医療による治療のステップは、再生しようとする臓器を構成する細胞(群)を手に入れる、もしくはつくりだすことから始めます。目的の臓器が残っている場合は、その臓器から細胞を抽出するのが一般的です。しかし、目的の臓器を構成する細胞がなんらかの事情で手に入れることができない場合、その臓器に比較的近い組織(角膜なら口腔粘膜の細胞など)の細胞、もしくは万能細胞(ES細胞やiPS細胞)からつくりだします。これを分化・誘導といいます。しかし、現在臨床的に万能細胞を使うことはかなり制限されていますし、まだ技術が追いついていないため、代替細胞による再生医療がほとんどです。

 

 次に極めて微量しかない細胞を治療用に大量に増やさなければなりませんが、そのためにインキュベーターと呼ばれる孵卵器のような定温・定湿度・定二酸化炭素濃度のボックスが必要になります。このインキュベーターの中で、通常数週間から数ヶ月をかけて細胞が培養され、大量に増殖されます。従来の医療は患者さんがいてこそで、患者さんの身体が、治療の現場であり主役ですが、再生医療すなわち臓器を構成する細胞を用いた治療では、試験管や顕微鏡のあるCPC(細胞加工室)と呼ばれる無菌室が治療の現場であり主役になるのです。

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 現在行われている再生医療は、患者さんから取りだした細胞を体外で増殖・活性化されたのちにもとに戻す作業をすることで、臓器の再生を図っています。たとえば美容目的の皮膚の再生医療では、患者さんの皮膚から真皮の線維芽細胞を取りだして増殖させ患部に注入する方法を用いています。そうすることで、細胞の本来もっている能力で肌を再生させるのです。このような技術は、血管の再生など幅広く実施されています。

線維芽細胞を使った肌の再生線維芽細胞を使った肌の再生

 しかし将来、再生医療はこのような簡単な治療方法だけではなく、万能細胞を用いて必要な臓器を完全につくらせたあとに移植するような高度な技術も実施されるようになると思われます。

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