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培養皮膚の仕組み

投稿日:08/22/2015 更新日:


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以前に『傷が治る(再生する)仕組み』をお話しました。その中で直径6cm以上の皮膚が毛穴ごと全部なくなってしまったらその傷は理論的にはふさがらない、再生されないと書きました。実際そおいう大ケガを負った場合には、病院で植皮術(しょくひじゅつ)という、身体のほかの皮膚を取ってきて皮膚がなくなったところに移植する手術を行うことになります。ではもし、体の90%の皮膚が全部なくなってしまったらどういうことになるでしょうか?

 

 実際問題、免疫反応や拒絶反応という問題からマンガ『ブラックジャック』のように他人の皮膚を移植することは絶対できませんし、自分の皮膚は残り10%しかないので、植皮術でも治療することができません。皮膚の再生医療である培養皮膚(ばいようひふ)を用いて人工的に皮膚を再生しないと、この患者さんは一生皮膚がないことになります。当然皮膚がなければ、そこから最近が侵入し、その人は命を落としてしまいます。

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 培養皮膚とは皮膚の再生医療、自分自身の皮膚という臓器のコピーのことです。臓器をつくるのは細胞であり、細胞があれば臓器をつくることができると書いてきましたが、単純に培養皮膚は表皮細胞を取りだしてきて数を増やしただけのものではありません。前項で書いた『皮膚を維持する仕組み』を思い出してください。表皮細胞は、角質(ケラチン)を溜め込んで死んでします細胞です。そのような細胞だけを使っても、皮膚を維持する仕組みは構築されません。培養皮膚とは、皮膚を維持するキーパーソンとなる細胞を使ってつくった人工の皮膚なのです。基底層では女王蜂のような表皮細胞があって、その女王蜂が働き蜂のような表皮細胞をたくさんつくり続けているのです。培養皮膚とはまさにこの女王蜂を培養し、数を増やし、皮膚のなくなったところに移植する医療なのです。

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