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遺伝子ってなに?iPS細胞ってなに?

iPS細胞と再生医療の将来

臓器の作製〜万能細胞による究極の再生医療〜

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 これまでお話ししてきたように、万能細胞、特にiPS細胞は、再生医療の発展において欠かせないものとなっています。iPS細胞のメリットは、なんといってもどんな細胞・組織・臓器もつくりだせることです。そして世界中の研究者が、iPS細胞による再生医療の現実に向けてしのぎをけずっています。

 

 最後となるこの「臓器の作製〜万能細胞による究極の再生医療〜」では、再生医療とiPS細胞について、現実的な問題ばかりでなく、夢物語とされてしまう部分についてもお話ししていきたいと思います。

 

 まず、これまで他人から臓器提供を受けて実施してきた臓器移植は、ドナー不足や拒絶反応の問題がありました。他人の臓器と一生共存するのは、単純に考えても無理があります。しかしiPS細胞の開発・発見によって、患者自身の細胞から必要な臓器を自由に作製できれば、拒絶反応のまったくないかたちで移植できます(現在の研究現場では、世界中のどこを探しても臓器の完全コピーの検討はほとんど行っていません)。

 

 まず、臓器のコピーをつくるには、臓器とはなにか理解しなくてはなりません。細胞が集まって組織をつくり、細胞が集合して臓器ができ、臓器が集合して体をつくります。たとえば心臓という臓器を考えてみましょう。

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 心臓には、心筋を統一的に動かす神経経路が必要ですし、単純に神経回路といっても交感神経と副交感神経の2つの経路と、心筋伝導路という心臓特有の神経回路も必要になります。さらに心筋そのものに栄養を送る血管も組み込まなくてはなりません。血管とひと言でいっても、血液を直接接する血管内皮、血管の可塑性や弾力性を維持するコラーゲン繊維や平滑筋、そしてそれらを保護する外膜も必要です。つまり、心筋=心臓ではなく、心筋細胞のコピーに成功しても心臓をつくったことにはなりません。もっというと、心臓という臓器を構成するたった1つの細胞などは存在しないのです。

 すなわち心臓という臓器を完全に試験管の中でつくりだすのは、どんなに科学が発達しても不可能です。臓器工場と呼ばれる別の生体が必要になります。倫理問題はさておき、人間の遺伝子を組み込んだ豚(サル)などのキメラ生命体の作製が、臓器作製では絶対に必要不可欠なのです。

臓器作製

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