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 生物は多細胞化の道をたどることによって、単細胞では決して得られない有利な生命継続の手段を手に入れました。その反面、内部に位置する細胞は、外部の環境と直接的なエネルギーのやり取りをもつことができなくなり、移送のために特別な細胞が必要になりました。すなわち細胞同士の役割分担は必要不可欠になっているのです。そこで次に多細胞生物が、役割分担(細胞間相互作用)をスムーズに行うために細胞間で情報のやり取りをどのようにしているのかについて説明します。

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 動物では、化学信号としての化学伝達物質(ホルモン、サイトカイン、ケミカルメディエーター、グロースファクターなど)と、電気信号としての神経組織を発達させてきました。化学伝達物質は体内の特定の部位でつくられ、他の部位(遠方や近接)に運ばれて作用をおよぼします。化学伝達物質としては、血糖値に関係するインシュリンや血圧の上昇に関係するアドレナリンなどがあります。これらの中には別の化学伝達物質の分泌を刺激するためのものも多く、いく段階かを経て最終の生理効果を示すことから、化学伝達物質の効果は神経伝達に比べて非常にゆっくりとしか現れません。

 

 一方、神経細胞はミリ秒単位で情報が伝達できます。神経は主に3つの部分い区分けされ、細胞核のある細胞体、他の細胞からの入力を受ける樹状突起(じゅじょうとっき)、他の細胞に出力する軸索(じくさく)に分けられます。

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 前の細胞の軸索終末と後ろの細胞にある樹状突起の間の情報を伝達する部分には、微小な間隙をもつシプナスト呼ばれる化学物質による伝達構造が形成されています。神経細胞は、神経細胞同士が突起を伸ばし合ってつながり、全身に送信網がつくりあげられています。神経細胞の基本的な機能は、神経細胞へ入力刺激が入ってきた場合に、活動電位を発生させ、ほかの細胞に情報を伝達することです。活動電位とは、なんらかの刺激に応じてナトリウムイオンやカリウムイオンが細胞内外に濃度差をつくることで細胞膜に生じる、一過性の膜電位の変化をいいます。

 1つの神経細胞に複数の細胞から入力したり、活動電位が起きる限界値を変化させたりすることにより、情報の修飾が行われるのです。

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