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 基本的に細胞の集合体、すなわち多細胞化した細胞においては、内部に位置する細胞は、外部の環境と直接的な物質やエネルギーのやり取りをもつことができません。しかし、多細胞生物と単細胞生物の中間と考えられるボルボックスは、5万個もの細胞からなる大きな球状の生物ですが、内部は空洞になっていて、細胞は表面に一層に並んでいるだけです。鞭毛運動でクルクル回ることですべての構成細胞に光と栄養を均等に供給し、すべての細胞が外部の環境と直接的な物質やエネルギーのやり取りは行う点で、単細胞生物がただたんに集まっただけのような構造をしています。しかもボルボックスは生殖細胞を分化させ、その一部の細胞だけが子孫を残します。ほかの細胞群体では構成細胞がすべて生殖細胞として機能する点で、単なる個々の細胞の集まりとは異なっています。

lab3-144163-o(ボルボックス)

 群体のもっとも進化したものといわれるカイメンは、体型はつぼ状で、中央に大きな空洞があり、上方には口が開いています。ボルボックスの違いとしては、水流運動を通して体内のすべての細胞で環境との物質交換ができるようになっていることです。さらに多細胞化が進んで体が大きくなってくると、内部の細胞に栄養や酸素を供給するためのシステムとして、水の流動性を利用したやり取りを発達させてきました。

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 群体を除き、多細胞生物のもっとも原始的な段階にあるといわれている腔腸動物のクラゲやヒドラは、この水の流動性を利用したやり取りを行っています。水生植物の場合は、すべての細胞が外界の水と直接物質交換をしていて、特別な移送系は発達していません。しかし、植物が陸上に進出するようになると、移送系の発達が見られるようになりました。

 

 たとえばシダなどの陸上植物は、水分や無機栄養を根の一部からしか取り入れることができません。そのため水分や無機栄養を吸い上げ、全身に配るための通路と、葉の光合成で生産した有機物を幹や根に下降させるための通路である維管束が必要となります。すなわち水分や栄養を吸収する根と、光合成を行う葉、その葉をできるだけ高いところにおいて光合成をしやすくするための直立した茎が発達しているのです。

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 このように、細胞はお互い役割分担(相互作用)を行うことで現在の生命になっているのです。

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