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遺伝子カタログとは?

 

 ここで遺伝子カタログを紹介しておきましょう。1966年に、米国のジョンズ・ホプキンズ大学のマキュージック(A.VMcKusick)教授が、そのころまでに知られているか、存在が推定されていた遺伝子のリストを出版したのです。現在では、世界標準の遺伝子データベースとなっており、インターネットに無料で公開されています。

 

 それぞれの遺伝子について、正常な機能、異常による病気の症状や検査所見、染色体上の位置などの情報、県連する論文、わかっていればDNAレベルの構造などについて、最新の情報があります。病名や遺伝子名で検索できますが、病名がわからなくても症状で検索できるので便利です。

 

 2011年8月の時点で、20369種の遺伝子が収録されています。収録された遺伝子や病気には、すべてマキュージック番号がついています。常染色体性優性の形質は1、同じく劣勢は2、伴性(別名X連鎖)は3、Y染色体上の遺伝子は4、ミトコンドリアの遺伝子は5ではじまる、それぞれ6けたの番号です。たとえば優性のハンチントン病は143100,

劣勢のフェニルケトン尿症は261600、伴性の血友病Aは306700です。

 

 なお、同じ遺伝子であっても、部分的に欠けると劣性遺伝、3塩基の反復の延長だと優性遺伝になるという現象が見つかりました。そこで最新では、新しく見つかった遺伝子は1と2を区別せず、常染色体性でまとめて6ではじまる数字になりました。

 

遺伝子カタログを覗いてみよう

 

 オンライン版ですので、調べたい言葉を入力して検索すれば、たちまち結果が出ます。検索の例を紹介しますと、高血圧で548種類、コレステロールで408、肥満は443、骨粗鬆症は229、アルツハイマーなら298、てんかんは506種類(重い奇形や知的障害に伴うものを含む)が表示されました。[cancer]で検索すると、なんと2366種類が見つかるのです。糖尿病については別記事で紹介しましたが、1型、2型のそれぞれで80種類ほどが見つかります。先天性の心奇形は126です。検索によって拾い出される項目の多さには圧倒されます。

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意外なところに遺伝子の影が・・・

 

 日本人類遺伝学会の発表から、「遺伝子と関係があると聞いても、信じられない方がおおいだろう」という印象を受けたテーマを紹介しておきましょう。

 

 赤ちゃんの生まれたときの体重、妊娠中毒症、流産、初潮の時期、赤ちゃんの熱性けいれん、脳動脈瘤、くも膜下出血、白内障、緑内障、人前に出るとパニックを起こすパニック障害、てんかん、胃がん、肝臓がん、骨粗鬆症、精子の数、結核感染などです。最後の結核感染とは、感染への抵抗性にかかわる遺伝子があるということです。白人の数%はエイズに感染しないというように、感染への抵抗性にも遺伝子の関与があるのです。

 

 くも膜下出血については、血管壁の弾性にかかわるエラスチン遺伝子の変化が、最近になって患者で見つかりました。さまざまな遺伝子病はもちろん、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病、乳がんや大腸癌など遺伝性が知られている“がん”についての発表もたくさんあります。

 

 昔から知られていることですが、味覚、身長、知能や性格、方向感覚、絶対音感など音を聞き分ける能力、指紋などにも遺伝子が関係しています。

 食べ物の好き嫌いも、当人のわがままや親のしつけの問題が大きいにせよ、味覚にも個人差があることを頭の隅に残しておく方が良いでしょう。モモやキウイを食べると、アレルギー反応のために口の中がヒリヒリする人もいます。ありとあらゆることに、遺伝子がからんでいるのです。

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