子育ての記事一覧


Sponsered Link

 核酸とは生体機能を維持するための基本物質であり、体内での合成量を増やすことで病気や老化の予防が可能になる、さらには一旦進行してしまった遺伝子の損傷を早い段階で修復し、病気の芽をつみとることができる。

 

 また、細菌中国においては核酸は日本の厚生労働省に当たる衛生部で保健食品として認可され、老化防止、記憶力・学習力の向上、免疫増強作用などの効能が商品に表示され、また近く、抗疲労も表示される予定です。核酸は北京オリンピックの強化食品にもなっています。

 

 今回は核酸の多岐にわたる働きを赤ちゃんの発育に沿って紹介していきます。

 

身体の発育・成長を助ける

 

赤ちゃんの発育スピードに欠かせない核酸

 核酸は新陳代謝の要。当然のことながら、大人とは比べ物にならないほどの早さで発育・成長を遂げる赤ちゃんにとって、大人以上に重要な物質であることは明らかです。赤ちゃんの発育・成長にどのくらいの核酸が必要かを調べた研究報告によると、体重3kgの新生児の場合、1日あたり480mgであるとされています。そのうち、新陳代謝によって毎日120mgの核酸が尿から排出されてしまうので、120mgが核酸の入れ替えに、360mgが成長のために必要となります。

 

 この量を補うために、赤ちゃんは母乳から核酸やヌクレオチドを摂取し、足りない分は自分の肝臓で作り出しています。赤ちゃんが母乳から摂取できる核酸の量は、1日あたり約120mg。つまり、残りの320mgがデノボ合成による核酸で賄われるわけです。

 

 しかし、これはあくまでも母乳で育てた場合であり、すべての赤ちゃんに当てはまる話ではありません。

 

 昔の核酸が入っていない粉ミルクで育った赤ちゃんは、母乳で育った赤ちゃんに比べ、発育の遅れ、腸内善玉菌(ビフィズス菌)が少ない、アトピーやぜんそくなどのアレルギー疾患が多い、といった報告がされています。

 

 当時の粉ミルクを飲んでいた赤ちゃんは、自分で作り出す核酸のみ(デノボ合成)で新陳代謝に使われるエネルギーを賄っていたことになります。いくら赤ちゃんの肝臓が活発に機能しているとはいえ、約480mgの核酸(ヌクレオチド)を体内だけで作り出すのは容易ではなく、その核酸不足が発育不良やアレルギー感染に対する抵抗力の弱い結果として現れたのです。

 

 やがて、人工乳による核酸不足が背景にあることが科学的に裏付けられるようになると、欧米の乳業メーカー各社はこぞって核酸入り粉ミルクの開発に着手し始めました。そして、1990年代初頭には粉ミルクに核酸成分を入れることに対する指針が打ち出され、世界核国で本格的な核酸入り粉ミルクの製造・販売が広がり始めました。

 

核酸入り粉ミルクの発育促進効果

 

 最も早い段階から核酸入り粉ミルクの開発に着手した国内メーカーでは、実際に赤ちゃんが核酸を摂取することで発育・成長にどんな影響が現れるかを調べる臨床実験をおこなっています。

 

 まず、お母さんが妊娠中で子宮内で十分な栄養を与えられなかった結果、腸粘膜が機能的に傷害を受けている赤ちゃん(不当軽量児)を4つの産院施設から74人集め、2つのグループ(A群39人、B群35人)に分けました。

 

 そしてA群には低分子ヌクレオチド(核酸の単位成分)配合粉ミルクを、B群にはヌクレオチドが配合されていない粉ミルクを毎日与え続けました。実験開始から2ヶ月後、両群の体重と身長を測ってみたところ、週あたりの平均増加体重はA群がB群を約12g上回っており、また平均増加身長もA群がB群を約2mm上回っていました。

 

 さらに6ヶ月後に行った測定でも、やはり体重、身長ともにA群がB群よりも高い増加率を示し、加えて頭の周囲の大きさもA群のほうが高い増加率を示していることが確認されました。

 

 この実験を通じて、核酸が乳児期の発育・成長過程において重要な働きを示していること、先天的な発育不全というハンディキャップをもつ乳児に対しても有効に作用することが裏付けられたわけです。


子育て, 核酸


発育に不可欠な核酸

 

 母乳には赤ちゃんに必要なすべての栄養素が、人間特有の発育過程に適合した状態で入っている。

 

 しかし、母乳に含まれている栄養素や免疫物質は、仮に人間の体を家に例えるなら、鉄骨やコンクリート、セメントなどの材料やそれらを組み立てるために使う道具に相当するものです。せっかくいい材料や道具が揃っていても、それらを正確に組み立てるための設計図がなければ、家は完成することはありません。また、その設計図を読み取って、実際に作業をしてくれる大工さんも当然必要になってきます。

 

 私たちが生まれてから死ぬまでの生命活動のあらゆる情報が書き込まれている設計図の役割を果たしているのがDNA(デオキシリボ核酸)、さらにその情報を読み取ってアミノ酸を集め、体を作るためのタンパク質を合成する大工さんの役割を果たしているのがRNA(リボ核酸)です。核酸とはこの二つの物質のことを指し、生命の最小単位である細胞の中に存在しています。

 

 核酸は、「有機塩素ー糖ーリン酸」という3つおん化合物の複合体が鎖状に結合したものです。そして、この最小単位のことを「ヌクレオチド」(核酸が消化酵素によって分解されてできる物質)と呼んでいます。

 

 2種類ある核酸のうち、デオキシリボースという糖を含む核酸をDNA(デオキシリボ核酸)、リボースという糖を含む核酸をRNA(リボ核酸)と呼んで区別していますが、両者には他にも塩基の種類で一部違いがあります。

 

 母乳にはこの核酸やヌクレオチドが十分に含まれています。核酸の構造、そしてこれらの核酸にどのようなタンパク質の設計図が組み込まれ、遺伝情報がどのように写し取られていくのか、その詳しいメカニズムについてはまたの機会に。

 

母乳で育った赤ちゃんはアレルギーになりにくい

 

 日本では、1995年以降に発売された粉ミルクの一部に核酸成分が配合されています。核酸は人間以外の哺乳動物の母乳にはほとんど含まれていないので、従来の粉ミルクを飲んで育った赤ちゃんは核酸が摂れていなかったわけです。

 

 核酸入り粉ミルクが世界的に普及し始めたのは、その4年ほど前、1991年のこと。当時の欧州共同体(現EU)が「粉ミルクへの核酸の配合量」についての指針を打ち出したのをきっかけに、アメリカ、韓国、日本をはじめとした世界核国がそれに追随するかたちで「核酸関連物質」「ヌクレオチド」の配合をうたった粉ミルクの製造・販売を展開してきました。

 

核酸入り粉ミルクの歴史

 

 事の発端はEC通達が発表される前まで遡ります。

 

 20世紀初頭から人工乳の研究開発に着手してきた「粉ミルク先進国」アメリカでは、1970年代後半から乳幼児の間で、アトピー性の皮膚炎や喘息、花粉症といったアレルギー疾患が蔓延し、国を挙げての対策が急がれていました。そこで各専門機関が研究チームを作り、乳幼児の栄養状況について分析したところ、粉ミルクで育てた赤ちゃんは母乳で育てた赤ちゃんに比べてアレルギー疾患を発症する割合が大幅に高いことが明らかになりました。

 

 さらにその原因を解明するために、アレルギーの発症に関与しているIgE抗体の血中濃度を調べた結果、粉ミルクで育てた赤ちゃんのIgE抗体の量は母乳で育てた赤ちゃんよりも明らかに大いこともわかりました。

 

 このIgE抗体は本来、外から侵入してきた異物に対抗する役割を持ち、B細胞と呼ばれるリンパ球の仲間であるヘルパーT細胞で、作用の違いによって1型(Th1細胞)と2型(Th2細胞)に分けられます。

 

 このTh1とTh2は、互いに作用し合って免疫機能そのものやアレルギー反応を調整していますが、なんらかの原因で双方のバランスが崩れ、どちらかに傾くと、免疫反応に異常が現れます。現代人に多発するアトピーや喘息、花粉症などのアレルギー疾患(これらを1型アレルギーと呼ぶ)は、この2つのバランスがTh2に傾き、IgE抗体が過剰に生産された結果、発症する事がわかっています。

 

 多くの専門家たちがさまざまな研究を重ねた結果、母乳で育った赤ちゃんと粉ミルクで育った赤ちゃんとの間にこれほどの違いが見られるのは、核酸の優夢が影響しているのではないかと考えられるようになりました。実際に某大手乳業メーカーや遺伝子栄養学研究所の行った動物実験でも、母乳並みに核酸を転化した粉ミルクで飼育したマウスは、無添加の粉ミルクで飼育したマウスに比べ、血液中のIgE濃度が著しく低下することが確認されています。

Sponcsered Link

 

核酸入り粉ミルクの登場

 

 ここまで述べてきたように、国内外の乳業メーカーは母乳に限りなく近い粉ミルクを提供するために、1世紀(国内では半世紀)もの長きにわたって母乳研究を続けてきました。

 

 その過程で、配合する三大栄養素(タンパク質、糖質、脂質)の組成や比率を変えたり、各種ビタミンやミネラルを強化したり、ごく最近では脳の発育に役立つと言われているDHA(ドコサヘキサエン酸=不飽和脂肪酸の一種)や免疫機能を強化するγ-リノレン酸を配合するなど、さまざまな開発努力が繰り返し行われています。

 

 しかし、常に大きな壁として立ちはだかっていたのが、アレルギー疾患や下痢の症状が起こりやすいという現実。粉ミルクの普及とアレルギー疾患の因果関係についてはあらゆる角度から研究が進められてきましたが、どうやって改良すればアレルギー疾患の増加に歯止めをかけることができるのか、決定的な手段はずっと謎に包まれていました。

 

 そうしたなかでにわかに脚光をあびるようになったのが、核酸の存在でした。母乳で育った赤ちゃんは粉ミルクで育った赤ちゃんに比べてアレルギー体質になりにくい、なったとしてもなったとしても比較的症状が軽い場合が多いのは、母乳に多く含まれている核酸がアレルギーの発症を抑える働きをするためではないか、よいう説が有力視されてきました。

 

 その説を科学的に裏付けるために、乳業メーカー各社は母乳に含まれている核酸の含有量を測定し、さらにその数値から赤ちゃんの発育に必要とされる核酸の量を算出しました。

 

 まず、体重3kgの新生児が母乳から補う核酸の量は、1日あたり約120mgです。しかし、大人とは全く比較にならないほど急速に発達・成長を遂げる赤ちゃんの体内では、凄まじい勢いで細胞新生(新陳代謝)が行われています。そうした細胞の分裂・増殖を支えるエネルギーを蓄えるためには、1日におよそ480mgの核酸が必要です。

 

 では、残りの360mgはどうやって補うのか。実は、赤ちゃん自身が自分お肝臓で合成した核酸を利用しているのです。

 

 私たちの肝臓(一部は腎臓)には、食事から摂取した栄養素を代謝する際に核酸が二次的に同棲される仕組みが備わっています。専門的にいうと、「デノボ合成」と呼ばれています。赤ちゃんは、特別な病気でもしない限り、大部分の核酸を体内で作り出すことができるのです。

 

 とはいえ、自分の力だけでは1日に必要な量を補えないことも事実。活発な新陳代謝の過程で、毎日約120mgの核酸が尿から排出されていくので、やはり母乳から核酸を補充してあげる必要があります。核酸が転化されていなかった従来の粉ミルクを飲んで育った赤ちゃんに、アレルギー疾患が多発したり、発育不良の傾向が目立ったり、免疫力が弱かったりするのも、つまるところ核酸不足の影響が大きかったわけです。

 

核酸は母乳から補うのが基本

 

 核酸入り粉ミルクは以上のような経緯で誕生し、今や大勢のお母さんたちに利用されています。ただし、粉ミルクに核酸が添加されているからといって、「母乳は大変だから粉ミルクにきりかえる」とは決して思ってはいけません。本当に母乳不足で困っているならともかく、十分に与えられる限りは頑張って母乳を続けてください。

 

 なんども言いますが、赤ちゃんは母親のお乳を飲んで育つのがすべての哺乳動物に共通する自然の摂理です。そして母乳の成分も、初乳から成乳へと、赤ちゃんの状態に合わせてその時期に最もふさわしい栄養を与えられるようにできています。まさに神業ともいうべき仕組みは、どんな科学が進歩しても、人為的に作り出すことは不可能かもしれません。もちろん、乳業メーカーの長年にわたる努力によって粉ミルクの品質が飛躍的に向上したことは間違いありません。

 

 しかし、現在市販されている核酸入り粉ミルクのヌクレオチド(核酸の単位成分)含量は、100gあたり6〜20mg。つまり、先ほど説明した1日あたりの必要量を補うためには、粉ミルクだけでは足りない恐れも出てきます。なので、粉ミルクは母乳で補いきれなかった栄養を補うためのサポートとして利用するのがベストです。現実問題として、母乳がどうしても出ない、母乳だけでは足りないので粉ミルクの助けを借りなければならない、というお母さんが多いのはよくわかります。核酸入り粉ミルクを製造・販売する乳業メーカーも、さまざまな事情を抱えるお母さんを助けるべく、良質な粉ミルクの研究開発に力を注いできました。

 

 したがって、粉ミルクに過剰な期待をするのではなく、自分に最も適したものを選んで上手に利用することを心がけましょう。そうすれば、授乳の負担が軽減されて、赤ちゃんの発育にも必ず役立つはずです。


子育て


母乳に含まれているパーフェクトな栄養成分

 

 文明や科学の進歩は、私たちに便利で豊かな生活をもたらしました。赤ちゃん用の粉ミルクも、科学の進歩によって作り出されたものの一つです。

 

 粉ミルクを製造・販売する乳業メーカーは、長年にわたって母乳の成分を分析し、栄養的に優れた人工乳の開発に力を注いできました。こうした各メーカの開発努力によって、最近の粉ミルクは栄養バランスの面でかなり母乳に近くなったと言われています。しかし、今のところ完全に母乳を模倣した製品を生み出すには至っていません。

 

 では、ここで改めて母乳の素晴らしさを知るために、母乳に含まれている栄養成分を紹介していきます。私たちが普段飲んでいる牛乳と比べると構成成分に大きな違いがあることがわかるかと思います。

 

五大栄養素

 ①タンパク質

 タンパク質は、内臓や筋肉、血管などあらゆる組織や臓器の材料になると同時に、体の機能の調整にも役立っている重要な栄養素です。母乳中のタンパク質含有量は牛乳の約2分の1から3分の1。人間の赤ちゃんは、他の哺乳動物のように生まれてすぐに体を動かす必要がないので、タンパク質の量も少なくて済むようになっています。

 

 アミノ酸(タンパク質の構成要素)組成も、人間特有の発育過程に応じて、短時間で簡単に消化吸収ができるラクトアルブミンが主体になっています。それに比べて牛乳は、消化に時間がかかるカゼインというアミノ酸が主体になっており、人間の赤ちゃんには負担が大きいとされています。

 

 さらに母乳には、脳の発達を促進するタウリンというアミノ酸も豊富に含まれています。ちなみに、牛乳に含まれるタウリンの量は、母乳の半分程度です。タウリンは脳や網膜などの神経発達に欠かせないだけではなく、心肺機能を正常化する作用も認められています。

 

 ②糖質

 母乳に含まれる糖質のほとんどは乳糖で、含有量は牛乳の約2倍です。腸内でガラクトースとグルコースに分解され、体内に吸収されます。グルコースはエネルギー源として使われ、ガラクトースは脳などの組織形成に利用されます。

 

 乳糖にはほかにも、腸内でビフィズス菌などの善玉菌の繁殖を助け、逆に大腸菌などの有害な細胞の繁殖を抑える作用があります。また、腸内でカルシウムや鉄といったミネラル成分と結合し、その吸収を促進する作用があります。

 

 ③脂質

 母乳に含まれる脂質は、3.5%前後を占め、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、γ-リノレン酸などの不飽和脂肪酸で構成されています。これらは、細胞膜や消化液、ホルモンの材料になるなど、体の機能を維持するために重要な働きを示していることから、必須脂肪酸とも呼ばれています。母乳中にこれらの脂肪酸が多いということは、栄養学的にも注目すべき要素です。

 

 また母乳には、リパーゼという脂肪を分解するための消化酵素が含まれています。このリパーゼの働きのおかげで、消火器が未発達な赤ちゃんでも、無理なく乳汁中の脂肪を消化できるわけです。

 

 これに対して粉ミルクは、必須脂肪酸を強化するためや脂肪の吸収効率を高めるために乳脂肪の代わりに、大豆などの植物性油脂、動物性ラード、魚油などを添加し、脂肪酸を補っています。

 

 ④ビタミン

 10数種類に及ぶ各種ビタミンは、体内の化学反応を調節し、代謝活動を活性化するうえで重要な役割を果たしています。バランスの取れた食生活を送っているお母さんの母乳には、ほとんどのビタミンが必要なだけ含まれています(ビタミンKだけは例外的に少ない)。

 

 特に含有量が多いのは、免疫力を強化して体の抵抗力を高めたり、体内の酸化を防いで老化やガンの予防に役立つなど様々な生理作用を持つビタミンC、同じく強力な抗酸化作用を持つことで知られているビタミンEです。さらに、体内に吸収されるとビタミンAに変換されるβ-カロチンも豊富に含まれています。ビタミンAにはガン抑制作用、抗酸化作用などが認められていますが、最近の研究によってβ-カロチン自体にも強力な抗酸化作用があることが明らかになっています。

 

 ⑤ミネラル

 細胞間の情報伝達や酸素の運搬、血液の浸透圧の維持、骨の形成など、様々な生命現象を支える元素のことで、主要ミネラル(カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リン、鉄、イオウなど)と微量ミネラル(亜鉛、ヨウ素、銅、マンガン、セレンなど)に分類されます。

 

 母乳に含まれるミネラルの含有量は鉄を除いてどれも牛乳の3分の1から4分の1程度ですが、腎臓が未発達な赤ちゃんにとってミネラルの過剰摂取は負担が大きすぎることがわかっています。

 

 母乳中の各種ミネラルは理想的な割合で含まれているうえに、乳糖の作用で、吸収効率がいいので、やはり、赤ちゃんの発育には適しています。

 

赤ちゃんを病気から守ってくれる免疫物質

 

 母乳には五大栄養素以外にも特徴的な成分が含まれています。それは、未熟な赤ちゃんを最近やウイルスなどの病原菌から守ったり、アレルギーの原因物質の侵入を防ぐ「生体防御因子」です。

 

 出産から7日ぐらいまでの間に分泌される母乳のことを初乳といいますが、これは通常の母乳、つまり2週目以降に分泌される成乳と成分構成が異なります。最も違う点は、タンパク質の含有量。初乳は成乳に比べると、倍以上のタンパク質を含んでいますが、実はそのタンパク質の中に重要な免疫物質が存在しているのです。

 

 免疫物質とは、外から侵入してきた病原菌などの異物(抗原)に反応し、それに抵抗する物質のことで、体内に抗体を作って異物を排除する免疫グロブリンと呼ばれています。これらはタンパク質の種類によって5つに分類されますが、そのうち母乳に多く含まれているのはIgAという種類の免疫グロブリンです。赤ちゃんが母乳を吸うことで体内に入ってきたIgAは消化液や呼吸器粘膜の中に溶け込んで、腸や肺の上皮細胞の表面に広がり、細菌やウイルスの侵入を強力に防ぎます。

 

 さらに、IgAはアレルギーの原因物質を腸管粘膜の手前で封じ込める働きも示します。母乳で育った赤ちゃんは粉ミルクで育った赤ちゃんに比べてアレルギーになりにくい、またはアレルギー症状が出ても軽い場合が多いことが、過去に行われた数多くの疫学調査によって明らかになっています。

 

 以上の免疫物質の他にも、赤ちゃんの抵抗力を高めて丈夫な体を作る成分があります。それはタンパク質の一種のラクトフェリンとライソザイム(リゾチーム)という酵素です。やはり両方とも初乳の中に多く含まれています。

 

 ラクトフェリンは腸内で鉄と結合することで病原性細菌の繁殖を抑制し、ライソザイムには、大腸菌、ブドウ球菌といった病原性細菌類の細胞壁を溶かす作用があります。先ほど述べた乳糖も、腸内でビフィズス菌の栄養源となり、その増殖を促進します。その結果、腸内で酸性の状態になって、病原性細菌類の繁殖を抑えることができるのです。


子育て, 核酸


母乳で育てることの問題

 

 赤ちゃんを母乳で育てるうえで、残念ながらいくつかの問題点が指摘されていることも事実です。それを事前に知っておけば、赤ちゃんの健康に影響を及ぼす可能性も低くなることは間違いありません。ただ、いくつかの問題点のうち、母乳を与えることをやめるべき深刻なケースはごくわずかです。

 

ダイオキシン類の影響

 

 ダイオキシン類とは、ゴミ焼却の過程で発生する有機塩素化合物の総称で、あらゆる化学物質の中で最も強力な毒性を示します。

 

 ダイキ中に排出されたダイオキシン類は、河川、海洋、土壌を次々と汚染し、農産物や魚介類に蓄えられていくので、私たちは食物を通して、日々否応なくダイオキシン類を体内に蓄えてしまっているわけです。

 

 ダイオキシン類は肝臓や脂肪組織、そして母乳中といった脂肪の中に蓄えられる性質を持っています。そこで近年、お母さんの体内のダイオキシン類が母乳を介して赤ちゃんに移行し、健康被害をもたらすのではないかと指摘されています。

 

 厚生労働省では、「確かに母乳の中には一定量のダイオキシン類が含まれているが、その量は赤ちゃんに影響を与えるほどではない」と判断し、母乳の利点や安全性の面から母乳育児をすすめるという見解を示しています。この問題に関しては現在慎重な調査研究を進めている最中で、より一層適切な対策を講じることが求められています。

 

ビタミンK欠乏の可能性

 

 母乳にはほとんどのビタミンが理想的なバランスで含まれていますが、唯一ビタミンKだけは不足を起こす可能性があります。

 

 ビタミンKは、血液中の成分が結合して血液凝固反応が起こる際、補酵素として働く成分です。不足すると消化官出血や頭蓋内出血などを起こし、嘔吐や呼吸困難、意識障害などをともなう場合もあります。

 

 しかし現在は、生後間もないうちにビタミンKを投与することで出血を未然に防ぐことができるようになっています。

 

母子感染の可能性

 

 まず、B型・C型肺炎についてですが、B型肺炎の場合、出産時の母子感染が主な感染経路となります。しかし、母乳に関しては感染の報告はないので、母乳で育てることも可能です。

 

 一方のC型肺炎は、妊娠や出産による母子感染の可能性はほとんどありません。さらに、母乳を介して感染したという報告はありません。赤ちゃんへの影響は極めて少ないといえるでしょう。

 

 後天性免疫不全症候群(エイズ)は、分娩時の産道での感染と妊娠中に胎盤を介しての感染が中心と言われています。また、母乳から感染する可能性もあります。

 

 成人T細胞白血病は、最も多い感染経路が母子感染で、しかもその大部分が母乳によるものです。したがって、感染が発見された場合には、母乳は断念しざるをえないでしょう。


子育て, 核酸


母乳が一番

 

 赤ちゃんは母乳で育てる。これは有史以来、繰り返されてきた自然の摂理です。あらゆる哺乳動物は進化の過程でそれぞれの種にあった母乳を作り出し、そして赤ちゃんに与えてきました。人間の赤ちゃんの母乳には、人間の赤ちゃんを育むために偉大なる知恵が凝縮されているわけです。

 

 母乳の完璧さはまさに神業としか言いようがないことは、おそらく粉ミルクの開発に携わる研究者たちが一番わかっていることであろう。赤ちゃんのために調整された栄養バランス、発育過程に応じて微妙に変化する栄養成分、どれをとってみても母乳と同等のものを人工的に作り出すことは未だに叶わぬ夢なのだ。

 

 また、母乳の利点は栄養面だけではない。お乳を与えるという行為は栄養を与えるためだけの行為ではないのです。お母さんいとって母乳を飲んでもらうことはこのうえない快感となります。母性とはもともと備わっているものではなく、こうした経験を通じて研ぎ澄まされていくものなのです。そして次第に、親としての自覚が芽生えてきます。

 

 一方、赤ちゃんにとっても、初めて体験するお母さんの感覚は精神面の発達に大きく影響してきます。柔らかい肌のぬくもり、おっぱいの感触、お乳の味や匂い、やさしく微笑みかけるしぐさと声など、赤ちゃんは五感の全てをフル稼働させてお母さんを感じ取り、絶対的な安心感を得るわけです。

 

 このように母と子が授乳を通して密接に刺激し合うことで、親子の絆はしっかりと結ばれていくのです。もちろん、粉ミルクで育てても親子の絆を深める子育てをすることはできます。ですが、母乳を通してより密接に親子のふれあいを持つことは、子供の人間関係の基礎を作る意味において何よりも重要なことでもあるのです。

 

母乳が出にくいお母さんが増えている

 

 出産を控えている妊婦さんにアンケートをとると、9割以上が「母乳で育てたい」と答えているそうです。それだけ「母乳は良い」ということが浸透しているにも関わらず、いざ授乳期になると、母乳だけで赤ちゃんを育てる人は全体の3〜4割程度に止まってしまうとのこと。

 

 厚生労働省が平成7年の調査をもとにまとめた「乳幼児栄養調査の概要」によると、日本人の完全母乳率は生後1ヶ月で半分以下、生後3ヶ月で3分の1程度と報告されています。また、保健所などが集計する3ヶ月検診の結果でも、同じような内容が示されています。一体なぜ、理想と現実との間にこれほどまでにギャップが生じてしまうのでしょうか。

 

 実は、その理由について調べた統計もあります。前述の乳幼児栄養調査の結果の中で「粉ミルクを使用した理由」について質問したところ、「母乳が足りない」「母乳が出ない」など、母乳不足を理由に挙げる人が80%を超えていました。

 

 また、その他の意見として、「仕事の都合」「自分自身の健康の問題」「母乳は飲んだ量がわからないから不安」「母乳だけでは栄養面で心配」「赤ちゃんが母乳を嫌がる」「粉ミルクの方が楽だから」「授乳は苦痛」などが目立っています。さらに「出産施設で粉ミルクを与え続けたために、母乳が出なくなってしまった」と回答する人が3.5%に及び、出産時の環境も母乳の分泌に大きく影響していることも明らかになりました。

 

母乳不足についての誤解

 

 戦前、そして戦後間もない子頃の日本では、ほとんどの赤ちゃんが母乳だけで育っていました。それが戦後の経済復興を契機に、アメリカ型の「肉食信仰」「牛乳信仰」が食生活に深く浸透し、育児にも粉ミルクが普及していきました。その結果、昭和40年代には完全母乳率が20%以下に落ち込み、粉ミルクの飲み過ぎで必要以上に太った赤ちゃんが急増したのです。ところが、当時は大きな赤ちゃんを健康優良児として表彰するなど、むしろ粉ミルクを歓迎する風潮さえありました。

 

 多くのお母さんたちが訴える「母乳不足」は、実のところ、本人の思い込みによるケースが多いと言えます。そこで、はっきりと認識しておくべきなのは、「母乳不足」と「母乳不足感」は全く違うということです。そして、育児書の普及や行政機関による指導による子育てのマニュアル化などが混乱を招いている一因と言えるかもしれません。

 

 たとえば、「授乳は3時間おきに行うのが適当。それより感覚が短かったり、赤ちゃんがよく泣くようだったら、母乳が足りていない証拠」とか「体重が1ヶ月で1Kg増えなかったら、母乳不足」などの”常識”に振り回されてはいけません。現に多くの医師や助産婦保健婦がそのように指導してきましたし、育児書の中にもそういった記述がみられます。

 

 しかし、現実問題として初めからこの基準通りに授乳を行えるお母さんはほとんどいません。赤ちゃんは生まれて間もなくでも本能的に乳首に吸い付きますが、最初から乳を吸い出すのが上手いわけではありません。何度か挑戦してようやくコツをつかみ、自然にうまく吸ってくれるようになるのです。

 

 また、母乳の量を調整するホルモンは、赤ちゃんが乳頭を数吸う刺激によって分泌される仕組みになっています。なので、最初のうちは出が悪くても、何度か吸わせているうちにだんだんと量が増えていき、最終的には3〜4時間の授乳感覚が身についてくるのです。ただし、そうなるまでには通常2週間から1ヶ月以上かかるといわれています。それよよく理解して、根気良くお乳を吸わせてあげるお母さんが増えれば、母乳不足感は少しづつ解消されていくかもしれません。


子育て, 核酸